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~日常からマニアックなものまで~

正項級数とダランベールの判定法

 

 

マセマ社の微分積分のキャンパスゼミ(改訂3)の正項級数のとこを読んでいて、

23ページに以下のような問題がありました。

 

 

次の正項級数の収束・発散を判定せよ。

\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{P^n}{n}(ただし、Pは、P\gt0かつP\neq1をみたす定数)

 

 

この問題はダランベールの判定法を用いれば簡単に解けてしまいます。

 

 

 

 

まず、ダランベールの判定法について記述します。

 

始めに、\displaystyle a_n\gt0(n=1,2,・・・)というような数列の無限和について考えます。(重要!)

 

ちなみに\displaystyle a_n\lt0(n=1,2,・・・)という場合はどうなるんだ?ってとこですが、\displaystyle |a_n|の無限和について考えてあげれば、正負関係なしに進められます。

 

 

正項級数\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a_nについて、

\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{a_{n+1}}{a_n}=r のとき、rは、\inftyでもかまわない。

(i)0 \le r \lt 1 ならば、正項級数\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a_nは収束する。

 (ii)1 \lt r ならば、正項級数\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a_nは発散する。

 

面倒くさいので証明は省略します。(気分が乗ったら載せるかも?)

 

 

とりあえず問題に戻り考えます。

まず、P^nがあるのでダランベールの判定法を使えるかもしれないと大抵思います。(実は他にもいろんな判定法があります。ここでは省略。)

 

最初にa_n = \frac{P^n}{n}(n=1,2,・・・)とします。

ここで、ダランベールの判定法を使いたいので、条件を確認します。

ダランベールの判定法では、\displaystyle a_n\gt0(n=1,2,・・・)が成り立たなければなりません。

 

ここでa_n\frac{P^n}{n}(n=1,2,・・・)となっていて、分母のnは明らかに正ですね。

さらに分子のPP\gt0かつP\neq1をみたす定数である、と問題に書かれているので正ですね。

 

つまり、a_n = \frac{P^n}{n}(n=1,2,・・・)ダランベールの判定法を使うための条件である\displaystyle a_n\gt0(n=1,2,・・・)を満たしています。

これでダランベールの判定法を使えます!

 

 

ダランベールの判定法が使えるので、\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{a_{n+1}}{a_n} に代入してみましょう。

 

\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{a_{n+1}}{a_n} = \lim_{n \to \infty} \frac{\frac{P^{n+1}}{n+1}}{\frac{P^n}{n}}

 

分子分母にn(n+1)をかけると、

\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{P^{n+1}}{P^n} \frac{n}{n+1} = \lim_{n \to \infty} P \frac{n}{n+1}

 

Pは定数なので前に出ます。さらに分子分母をnで割ると、

 

\displaystyle P \lim_{n \to \infty} \frac{1}{1+\frac{1}{n}} = P

 

なんとPだけになりました。

これで終わり・・・。だと思ったらダメです。

 

この正項級数Pの値によって収束するか発散するかが決まります。

 

つまり、場合分けが必要!

 

答えを示すと、

 

(i)0 \le P \lt 1 のとき、正項級数は収束する。

(ii)1 \lt Pのとき、正項級数は発散する。

 

 

・この問題は、ダランベールの判定法の条件である\displaystyle a_n\gt0(n=1,2,・・・)を最初に考えること。

\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{a_{n+1}}{a_n} に代入し計算すること。

・最後にPで場合分けすること。

 

この一連の動作がダランベールの判定法を理解するためにとても重要であると思い、紹介しました。